歩いて、読む。

日々の雑感。ときどき、ちょっと文学。

『源氏物語』はどこが面白いのか、と問われて。

 久々の投稿です。

 授業で『源氏物語』を読み始めました。作品名だけはよく耳にしてきたからか、生徒は「『源氏物語』はどうやら重要な作品らしい」と感じているようで、図書館司書に「『源氏物語』はどういうところが面白いのか」と何人かが尋ねたそうです。

 図書館司書はこのことを私に報告した上で、「…で、正解は何ですか?」と尋ねてきました。たいへん真面目な方なので、「間違った」ことを生徒に言ってはならないと思われたのでしょう。

 私は、読むたびに新たに気づくことがあって、これが唯一無二の正解というのはないと考えていると前置きした上で、現在の自分の思うところを話しました。このたびの授業では、女性が作った物語であること強調し、当時の後宮や結婚についての基礎知識をふまえ、人間の愛されたい気持ちや愛したい気持ちに迫っていこうと考えています。

 数年前までは「愛」などという言葉を口にするのはとても恥ずかしかったのですが、授業で生徒とともにこの物語を読むことがそう多くはないと自覚されると、自分の恥ずかしさなどにかまっていられません。人間とはどういうものか考え、学ぶのは、文学にしかできないことだと信じればこそ、作品の特長を引き出し、活かすような授業をしなければならないと改めて感じています。

 それにしても、このようなことを国語科教員どうしで語り合うこともすっかりなくなったなあと寂しく思います。