歩いて、読む。

日々の雑感。ときどき、ちょっと文学。

新書本のタイトル

 週末に読む本を探しに書店に行きました。最近、小説を読むと、目下勉強中の文学理論がちらついて楽しめなくなってしまっているので、新書本を2冊買って帰りました。

 新書本のタイトルもいかに人目をひくかということで苦心しているようです。私のようなひねくれ者は、そういう意図が感じられるものはかえって避けてしまいます。そんな中で、『残念な教員 学校教育の失敗学』(光文社新書)というものがあり、ふだんならまず手に取ることはないタイトルの書物ですが、残念だと評される教員の一人であるという自覚も手伝って、とりあえず買って読みました。

 第1章「教育現場の実情」では、確かに、学校が抱える課題が指摘されていて、それなりに問題を提起しているところはあります。教員の読書離れについては、同僚の顔が何人か浮かびました。しかし、第2章、第3章と読み進めるにつれて、いったい筆者は読者としてどんな人を想定しているのだろうかという疑問を感じました。教員に読んで欲しいのか、それとも対象特定していないのかよく分かりませんでした。第2章の「教師の技術」などは、むしろこういうことも知らないで教壇に立っている教員のほうが珍しいのではないかと思います。少なくとも教員養成系学部出身者は実習をとおして身につけていくことです。本当に知らないのであれば、教員養成や教員採用試験の中に問題点があるのではないでしょうか。「構成的エンカウンター」に言及されていましたが、私自身は学生時代(30年前)に学んだ理論であり、なぜ、今、着目すべきなのか不明でありました。

 学校をよくしたいという筆者の熱意には感服しますが、執筆の意図や対象が曖昧な印象を受けるが「残念」です。タイトルについて、筆者がご自分でつけられたのか、編集者がつけたのか、というあたりも気になるところです。教員になって日の浅い方々に向けて著したものであれば、それのふさわしいタイトルがあったはずです。