歩いて、読む。

日々の雑感。ときどき、ちょっと文学。

鳥取県民の日に思う、県立美術館。

 鳥取に県立美術館を作ることが決まり、どのような美術館にするのかということについて具体的に検討を始めているようです。

 美術とは離れてしまうかも知れませんが、展示するものと展示する場所の調和はとても大切だと実感したことが何度かあります。建仁寺風神雷神図屏風は複製品であっても、展示ケースに入れられ、照明を当てられたオリジナルでは感じることができない立体感や迫力があります。また、鳥獣人物戯画高山寺で展示しているものは、やはり複製品であっても周囲の山野になじんで、今にも動き出しそうに感じられたような気がします。もちろん、精巧に複製してあるからということもあるのでしょうが、博物館や美術館で展示ケースに収められているものには出せない味わいを醸し出すのは、「場」の力に他ならないと思います。

 オリジナルにはオリジナルにしか出せない作品の力があるということは確かです。けれども、見せ方を間違えると作品の魅力は全く伝えられなくなることも事実です。鳥取にできる美術館は鳥取という風土だからこそ、作品の魅力を引きだし、観客を魅了するような「場」であってほしいと思います。

 お隣りの島根県には松江市に県立美術館があります。宍道湖の景観を活かした素晴らしい美術館です。鳥取県にも、大山の景観を活かした植田正治写真美術館があります。新しく作られる美術館は県中部の倉吉市に建設されます。「場」が作品にどのように作用する美術館になるのか楽しみです。