歩いて、読む。

日々の雑感。ときどき、ちょっと文学。

景気と人生

 今朝、テレビで高校野球中継をみていると、速報がうたれました。内容は、4月から6月の実質GDPの伸び率がプラスであり、6期連続でプラスであるというものでした。なぜ、速報で?という違和感を感じました。

 この状況に至る前、就職氷河期と呼ばれた時期に学卒期を迎えた人々は現在どうなっているのかということが、ずっと気になっています。当時は多くの有能な若者が就職できず、長い間不安定な就労環境の中で、歯を食いしばって働いていたのでず。ようやく手に入れた正規雇用にはしがみつかざるを得ず、無理を重ねたため心身の病で退職や休職に追い込まれた例もたくさん身近で見てきました。経済的な理由から自分の家庭を築くことを諦めている人も、この年代には多いと思います。老後の不安はバブル経済がはじけた直後に就職した私たち以上でしょう。これらは私の経験や印象でしかないので、就職氷河期の時代に学卒期を過ごした人々の実態を知りたいところです。また、このように多く若者の犠牲の上で「景気回復」があるのだということを私は忘れたくありません。

 そもそも、速報伝えなくてはならないような内容であるといえるのかと疑問に思います。突飛な印象を受けた速報の背景に「右肩上がりの経済成長こそが幸福をもたらす」という過去の大きな物語が垣間見えます。そして、まだそのような考えでこの国が動かされているらしいと思われました。

 国民が自分の人生の物語を描く前提となるのは、経済的な成長ではないはずです。成長戦略を推進する一方で、景気によって人生が翻弄されることがないような、不安なく生活できる社会を構築することも次世代に対する責任だと思います。