歩いて、読む。

日々の雑感。ときどき、ちょっと文学。

桜でつながる町づくり

 陸前高田市にある認定NPO法人「桜ライン311」は、東日本大震災の際に津波が到達した地点に桜を植樹してつなぎ、桜並木を形成することで後世に震災の教訓を伝えていく活動をしている団体です。170キロメートルに渡って10メートル間隔で桜を植える計画であり、順調にいってもあと50年はかかる事業です。なぜ桜なのか?と疑問に思うところです。先日、桜ライン311の代表の方に直接そのあたりをうかがうことができました。

 桜は日本人が愛する花であり、桜の花が咲けば多くの人が観賞します。一方で、桜の花を毎年美しく咲かせようとすると、それなりに手入れをすることが必要です。桜並木を形成し、維持していく時点で、人の関わりが必要不可欠です。見事な桜並木になれば、地元はもとより、全国各地から人々が陸前高田を訪れることも期待されます。このようにして桜に携わる様々な人によって、3.11の教訓を伝えていくことを願って活動をしておられるとのことです。現実に、桜の植樹によって新たな人と人とのつながりが生まれていることも教えていただきました。また、この活動は震災を後世伝えていくだけでなく、地域の外に暮らす人々を巻き込みつつ、まちづくりを進めていくことにも一役買っているようでもありました。

 お話をお聞きして、「大事なものを、確実に、人に伝えていくことができるのは、人しかないのではないか」という思いを強くしました。桜ライン311の桜はそのための「しかけ」であり、目的は「震災によって命を失うことがないように語りつぐ」ということです。語りつぐのは、もちろん「人」です。大事なものを末永く語り継いでいくための「しかけ」も重要であることを教えられました。

 そして、大事なものを、次世代に伝えていく人として、主体性を発揮しなければと自らを鼓舞しているところです。