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清盛塚を訪ねて

 宮島には、「清盛塚」と呼ばれる経塚があります。清盛が平家一族の繁栄を願い一字一石経(教典の一文字を一つの小石に書き記したもの)を埋めたと言われているようです。発掘した際には、平安時代のものとみられる銅製の経筒、甕、刀片、中国宋代の白磁の合子(ふた付きの容器)等が発見されたということです。

f:id:urauraam:20170706222150j:plain 実際に「清盛塚」を訪ねてみましたが、一字一石経が実際に発掘されたのかどうかは説明されておらず、不明でした。

 一字一石経といえば、鳥取県の八頭郡八頭町にある能引寺を忘れてはなりません。能引寺には『曾我物語』の大磯の虎が、曾我十郎を供養するために、法華経の一字一石経を埋めたという伝説が残っています。そして、1986年に寺を改修する際に7万個弱の一字一石経が発見されました。能引寺のご住職に発見された一字一石経を見せていただきましたが、とても素朴なものでありました。

 清盛と経典というと、豪華な「平家納経」が思い出されます。同じ人物をめぐって、対極の姿を見せる伝説が残っていることはたいへん興味深いところです。実際の平清盛とはどのような人だったのでしょうか。想像は尽きません。歴史上の人物についてはやむを得ないところはありますが、案外、私たちの人物に対するイメージは、自分自身の目で見、耳で聞いたこと以外のところで形作られているところが大きいのかも知れません。