歩いて、読む。

日々の雑感。ときどき、ちょっと文学。

雑感・ひとりごと

入試問題の解答例は公表すべきだ

25日から国公立大学の前期日程試験が始まります。国公立大学への出願のころから、受験大学の過去問を解いてくる生徒の指導に終われます。過去問を集めた「赤本」は有名ですが、それに掲載されている解答例はあくまで例でしかなく、どこまでの内容が答案と…

書道パフォーマンスと表現

高校生の書道パフォーマンスを観ました。大型ショッピングモールの新春イベントとして数年前から行われていたのですが、私はこれが初めてです。率直に言って、踊りや掛け声の必然性が感じられず、ただ、表現者の意図ばかりが目についてしまうような印象を受…

この世界の片隅に

アニメーション映画『この世界の片隅に』を観ました。予約をして、9月の発売日当日にDVDを購入していたものです。「いまさら、何を」とおっしゃる方も多いことでしょう。 この半年間、生徒とともに戦争平和について学び、考えてきました。広島で被爆の体…

芸術の秋

研修で上京した際、上野の国立西洋美術館に行き、「北斎とジャポニスム」を観ました。金曜日と土曜日は午後8時まで開館と聞いたので、研修後に行くことができました。 前回、西洋美術館を訪れた時は閉館中であったため、柵の側でぴょんぴょんと飛び跳ねて、…

池田亀鑑先生と古さとのことば

池田亀鑑先生は鳥取県西部のご出身です。日本の古典文学に関心のある人なら誰でもその名と業績を知っているところです。大学に入学して間もない頃、私が鳥取出身であることを知った教授(万葉集の講義をされていた)が、池田先生の業績やご苦労、国文学に対…

読書を演出するもの

秋分の日も過ぎ、秋の気配が深まるこの頃は、夜に虫の声を聞きながら読書にふけるのは、この上なく心地よいものです。窓を開け、虫の声とともに流れて来る冷気もまた秋の風情を感じさせるものです。 海辺に近い学校に勤務したことがきっかけで、釣りが好きに…

高校生のコピペレポートから考える

高校生に夏季休業中の課題としてレポートの提出を求めました。テーマは研修旅行での研修内容に即して自分で設定し、A4版レポート用紙2枚以上、二つ以上の資料を用いるということを条件としていました。 結果は、「コピペ」で字数を埋めたものがほとんどで、…

最後の米

今日、コイン精米機で米をつきました。我が家で、こうして、玄米を精米して食べるのもおそらくこれが最後になると思われます。 私の両親筋も数年前に稲作をやめました。そのときの「退職してからでもいいから、お前が米を作ってくれたら…」と遠慮がちに言っ…

むしの知らせ

大学時代に同じゼミに所属していた同級生が亡くなったと聞き、気持ちが沈んでいます。今夏はなぜか大学時代が思い出されたのは、むしの知らせというやつだったのかも知れません。 彼女の卒論は『宇治拾遺物語』の笑いに関するものでした。 秋の気配が漂い始…

二十世紀梨

鳥取の名産品として思い浮かべるもののひとつが、二十世紀梨です。ハウス栽培のものは8月上旬に店先に並びますが、地物は8月下旬から出荷が始まります。通勤経路上にある梨の選果場にも、人や大型トラックが往来し、にわかに活気を呈しています。 二十世紀…

短くなる夏休みと探究活動

今年の夏は、珍しく、県外の研究会に参加することも、旅行に行くこともありませんでした。そのおかげもあって、例年になく時間的なゆとりがあり、これまでほとんど見向きもしなかった、故郷の文化や風土が持つ価値に気付くこともできました。そして、伝説や…

長崎平和祈念式典に思う

今日は長崎で平和祈念式典が行われました。今年の「平和への誓い」は初めて公募によって選出された方によって行われたということです。テレビの報道で、その方は、原爆で亡くなった姉が夢に現れ、原爆の悲劇を伝えるのがあなたの仕事だと訴えるのだとおっし…

先輩の道案内

就職して最初に赴任した職場には旅行好きな先輩が多く、飲み会での話題はつねに旅の経験談でした。そして、旅の行き先は必ず文学が関係していました。先輩たちの話に刺激されて、二十代には夏期休暇を利用して奈良をよく訪ねていました。 とにかく、お金をか…

8月6日に思うこと

今年の7月上旬に広島に行きました。広島記念資料館には多くの修学旅行生が来ていました。中学生と思われるグループは、入館当初は修学旅行の楽しさも手伝ってか、わずかにはしゃいだ様子の生徒もいましたが、展示されている資料を見ているうちに、みるみる表…

フィールドワークをとおして考えること

フィールドワークをしていると、社会の変化を実感させられる機会に多く出会います。鳥取では少子高齢化、農村部で急速に進む人口減少を特に感じます。夏休みであるにもかかわらず、屋外で遊ぶ子どもの姿を見かけることはまれです。(今夏の猛暑では屋外で遊…

伝説と「記念物」

伝説は具体的な事物(柳田國男のいう「記念物」)に結びつけられていることがほとんどです。山や川などの自然に対して、建築物や石碑など人為的な事物はそれが失われるとともに、その事物に関する伝説も失われてしまうことは仕方がないことと言えるのかも知…

分かった気にさせる言葉

耳によくするので、何となく意味が分かったつもりになってしまう言葉が氾濫している気がします。最近では、「コンピテンシー」。「望ましい成果をあげることができる資質?」くらいに私は受け取っていますが、誰もが一義に理解できる定義はないようです。け…

桜でつながる町づくり

陸前高田市にある認定NPO法人「桜ライン311」は、東日本大震災の際に津波が到達した地点に桜を植樹してつなぎ、桜並木を形成することで後世に震災の教訓を伝えていく活動をしている団体です。170キロメートルに渡って10メートル間隔で桜を植える計画であ…

東日本大震災被災地を訪ねて

今週は、岩手県、宮城県に行き、東日本大震災の復興の現状を学びました。目で見ることができるところでさえ、復興は緒についたばかりでありました。被災者の方、まちづくりの中心となっていらっしゃる方をはじめ、乗車したタクシーの運転手さんや、立ち寄り…

他の言語を学ぶこと

高校野球の予選も大詰めとなり、選手や監督、コーチのさまざまなコメントが新聞やテレビのニュースで伝えられます。コメントの中に「やりきる」、「やり抜く」という言葉をよく耳にします。この「やりきる」、「やり抜く」という言葉を英語では"Go the distan…

『坂の上の雲』に思うこと

司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』はまとまった時間が取りやすい夏休みに読んでみたい小説です。とは言え、とにかく長編で、私は読破するのに何度か挫折しています。この小説からは明治という時代の雰囲気を人間の生を通して感じることができます。明治という…

鳥取市河原町の在原行平の鬼退治伝説

鳥取県東部地区(因幡地方)には、在原行平に関する伝説がいくつか残っています。「立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む」の歌で知られているとおり、因幡国司としてやって来たためでしょう。その中で、鳥取市河原町に残っている伝説で…

アドラーの心理学

書店に行くと多くはビジネス書のコーナーにアドラー心理学に関する書籍があります。アドラー関係の書籍はコンスタントに出版されている印象があります。が、その多くはアドラーの考えをかなり誇張した形で現実の問題への対処法を示している印象を受けます。…

寄り添う力 川上弘美『水かまきり』を読んで

川上弘美さんの作品には、奇をてらったところがなく、また意図や作意を読者に意識させることもありません。それでいて個性を感じます。「好きな作家は?」と問われて、答え私がるのは、川上弘美さんです。(そもそも、好きな作家は誰かと私に問う人もいないの…

鳥取砂丘を歩く

先日、砂丘周辺の石碑を見て回ったついでに鳥取砂丘へ行きました。年末に行われるイルミネーションは毎年のように行くのですが、日中に海岸線まで歩いたのは、学生時代以来です。岡山出身の友人に「鳥取と言えば砂丘」とリクエストされ、バスに揺られて来たこ…