歩いて、読む。

日々の雑感。ときどき、ちょっと文学。

街へ買い物に

同僚へのお見舞いにと、お菓子を求めて駅前に買い物にでかけました。当地でも、郊外に大型ショッピングモールができたため、駅前に買い物に来ることもなくなっていました。 洋服のディスプレイはすっかり秋の装いです。洋菓子店もハロウィンをモチーフにした…

原爆の体験講話を聴いて

広島で原爆を体験した方の講話を聴くことができました。私自身は20代の時に一度聴いて以来のことになります。その時以上に心を揺さぶられるように感じたのは、自分にとって大切だと思う存在が増えたためでしょうか。それとも、時代にきな臭いものを感じる…

野分のまたの日に

秋の台風がやって来ると、『枕草子』の「野分のまたの日こそ…」で始まる章段を思い出します。 作者の着眼点や美意識に読者の感受性を刺激されることは間違いないのですが、現代人には「をかし」と評するのはある種のためらいを禁じ得ません。身の回りで被害…

高校生のコピペレポートから考える

高校生に夏季休業中の課題としてレポートの提出を求めました。テーマは研修旅行での研修内容に即して自分で設定し、A4版レポート用紙2枚以上、二つ以上の資料を用いるということを条件としていました。 結果は、「コピペ」で字数を埋めたものがほとんどで、…

最後の米

今日、コイン精米機で米をつきました。我が家で、こうして、玄米を精米して食べるのもおそらくこれが最後になると思われます。 私の両親筋も数年前に稲作をやめました。そのときの「退職してからでもいいから、お前が米を作ってくれたら…」と遠慮がちに言っ…

鳥取県民の日に思う、県立美術館。

鳥取に県立美術館を作ることが決まり、どのような美術館にするのかということについて具体的に検討を始めているようです。 美術とは離れてしまうかも知れませんが、展示するものと展示する場所の調和はとても大切だと実感したことが何度かあります。建仁寺の…

人の力になりたいと感じたとき

人間関係というものは考え始めると結局何が正しいあり方なのかが分からなくなってしまいます。「親切」であるはず言動が、相手を不快にさせたり、他人に誤解されたりといった経験をすると、私なぞは積極的に人と関わることそのものに臆病になってしまいます…

行平と八上羽子板

1935年に板祐生さんが著した「山陰の郷土玩具概見」には、「八上羽子板」のいわれを伝える伝説が紹介されていることは、先日記したとおりです。この伝説では、八上羽子板作り方を伝えたのは在原行平であるとしています。 行平は、強賊を討伐せよとの文徳天皇…

文学の専門性と国語という科目

高校生に「文学とはどのようなものですか」と尋ねてみました。予測したとおり、生徒たちにとっても難問であったようで、ずいぶん考え込んで、結局のところ定義できませんでした。 学校のカリキュラムにある教科のなかで、国語ほど、大学で専門的に学ぶことと…

むしの知らせ

大学時代に同じゼミに所属していた同級生が亡くなったと聞き、気持ちが沈んでいます。今夏はなぜか大学時代が思い出されたのは、むしの知らせというやつだったのかも知れません。 彼女の卒論は『宇治拾遺物語』の笑いに関するものでした。 秋の気配が漂い始…

文化を自分のものにするために

民謡を現代風にアレンジして演奏活動を行っている、NeoBallad(ネオバラッド)の公演に生きました。音楽のアレンジをしておられる上領亘さんは、ご自分が民謡の素晴らしさに気付いたご経験を語られたのち、民謡という文化を自分のものだと思ってもらいたいと…

二十世紀梨

鳥取の名産品として思い浮かべるもののひとつが、二十世紀梨です。ハウス栽培のものは8月上旬に店先に並びますが、地物は8月下旬から出荷が始まります。通勤経路上にある梨の選果場にも、人や大型トラックが往来し、にわかに活気を呈しています。 二十世紀…

読書感想文の楽しみ

夏休みの宿題の定番ともいえる読書感想文は、多くの生徒にとっては特に億劫に感じるもののようです。インターネットには、様々な読書感想文対策のwebページがありますが、それは答えを自分の外に求めようとする思考様式を反映しているように思われます。 そ…

短くなる夏休みと探究活動

今年の夏は、珍しく、県外の研究会に参加することも、旅行に行くこともありませんでした。そのおかげもあって、例年になく時間的なゆとりがあり、これまでほとんど見向きもしなかった、故郷の文化や風土が持つ価値に気付くこともできました。そして、伝説や…

在原行平と八上羽子板

鳥取県には在原行平にまつわる伝説がいくつかあります。その中には、記念物がなくなるとともに伝承されなくなったと思われるものもあることは、先日も申し上げたとおりです。 板祐生さん(1889-1956)は鳥取県西部の現南部町に生まれ、教師として生涯を過ご…

用語によるイメージ 災害文学?

昨年は鴨長明没後800年の節目の年であったためか、長明や『方丈記』に関する一般向けの書物がいくつか出版されました。その中で、「方丈記は『災害文学』である」という説明がなされているものがあって、現在はそういう捉え方が主流なのかな?と疑問に思いま…

ライトノベルも読んでみる

「読書はあまりしないけど、ラノベなら読みます」という高校生は案外多いようです。「ラノベ」とは「ライトノベル」の略称なのだそうです。学校の図書館の蔵書にもあり、司書さんいわく、「教科書に出てくるような作家の作品も読んでもらいたいが、その入り…

景気と人生

今朝、テレビで高校野球中継をみていると、速報がうたれました。内容は、4月から6月の実質GDPの伸び率がプラスであり、6期連続でプラスであるというものでした。なぜ、速報で?という違和感を感じました。 この状況に至る前、就職氷河期と呼ばれた時期に…

情報社会 東京に求めること

昭和十年代のある雑誌に掲載された記事を読みたいと思っていたところ、国会図書館にだけあると分かりました。地元の図書館に問い合わせると、鳥取で複写したものを見ることができるという回答でした。私の学生時代なら、間違いなく東京までいかなければ読む…

因幡万葉歴史館 大伴家持生誕1300年を前にして

かつて因幡国庁があった鳥取市国府町は因幡一宮の宇倍神社をはじめ、彩色壁画で知られる梶山古墳など、古代のロマンに溢れる地域です。私自身も子どものころから今日にいたるまで慣れ親しんだ地域でもあります。 その国府町に「因幡万葉歴史館」があります。…

長崎平和祈念式典に思う

今日は長崎で平和祈念式典が行われました。今年の「平和への誓い」は初めて公募によって選出された方によって行われたということです。テレビの報道で、その方は、原爆で亡くなった姉が夢に現れ、原爆の悲劇を伝えるのがあなたの仕事だと訴えるのだとおっし…

脱・日本史コンプレックスを目指して

高校時代の担任にそそのかされて、世界史と地理を選択したため、日本史の知識が不足しているという自覚を持ち続けています。大学生の時、指導教官の先生に「中世をやろうと思っているのに網野善彦を知らないなんて、もぐりだよ」と言われたのがトラウマとな…

先輩の道案内

就職して最初に赴任した職場には旅行好きな先輩が多く、飲み会での話題はつねに旅の経験談でした。そして、旅の行き先は必ず文学が関係していました。先輩たちの話に刺激されて、二十代には夏期休暇を利用して奈良をよく訪ねていました。 とにかく、お金をか…

8月6日に思うこと

今年の7月上旬に広島に行きました。広島記念資料館には多くの修学旅行生が来ていました。中学生と思われるグループは、入館当初は修学旅行の楽しさも手伝ってか、わずかにはしゃいだ様子の生徒もいましたが、展示されている資料を見ているうちに、みるみる表…

フィールドワークをとおして考えること

フィールドワークをしていると、社会の変化を実感させられる機会に多く出会います。鳥取では少子高齢化、農村部で急速に進む人口減少を特に感じます。夏休みであるにもかかわらず、屋外で遊ぶ子どもの姿を見かけることはまれです。(今夏の猛暑では屋外で遊…

伝説と「記念物」

伝説は具体的な事物(柳田國男のいう「記念物」)に結びつけられていることがほとんどです。山や川などの自然に対して、建築物や石碑など人為的な事物はそれが失われるとともに、その事物に関する伝説も失われてしまうことは仕方がないことと言えるのかも知…

八上姫を訪ねて

鳥取は「因幡の白兎」の伝説の地としてもよく知られています。兎が「ワニ」を騙してたどり着いたという海岸は、白兎海岸と呼ばれ、鳥取県東部の主要な観光地の一つとなっています。 『古事記』では大国主命に助けられた白兎は、大国主命が美女として有名であ…

分かった気にさせる言葉

耳によくするので、何となく意味が分かったつもりになってしまう言葉が氾濫している気がします。最近では、「コンピテンシー」。「望ましい成果をあげることができる資質?」くらいに私は受け取っていますが、誰もが一義に理解できる定義はないようです。け…

桜でつながる町づくり

陸前高田市にある認定NPO法人「桜ライン311」は、東日本大震災の際に津波が到達した地点に桜を植樹してつなぎ、桜並木を形成することで後世に震災の教訓を伝えていく活動をしている団体です。170キロメートルに渡って10メートル間隔で桜を植える計画であ…

真夏の水やり

これだけ暑い日が続くと、庭の植物も元気がなくなります。朝にたっぷりと水やりしても、夕方にはプランターや鉢に植えた植物はすっかり萎れてしまっています。そういうわけで、毎日、朝夕と水やりに精を出すことになります。朝、睡蓮の葉の上に座っていたカ…