歩いて、読む。

日々の雑感。ときどき、ちょっと文学。

センター試験と寒波

今週末にセンター試験が行われます。本年度はカレンダー的に最も早い日付での実施です。鳥取では、不思議なことにセンター試験に合わせるかのように寒波に襲われることが多く、このたびもそういうことになりそうです。 センター試験の日は、受験生が試験開始…

書道パフォーマンスと表現

高校生の書道パフォーマンスを観ました。大型ショッピングモールの新春イベントとして数年前から行われていたのですが、私はこれが初めてです。率直に言って、踊りや掛け声の必然性が感じられず、ただ、表現者の意図ばかりが目についてしまうような印象を受…

年頭雑感

正月を巡っては地域の色がよくあらわれます。元日の雑煮ひとつとっても地域差があります。我が家は小豆汁に煮た丸餅を入れていただきます。元旦に包丁を使うことを避けるため、と当家では教えられています。沿岸部と山間部、東部地区と西部地区といった違い…

この世界の片隅に

アニメーション映画『この世界の片隅に』を観ました。予約をして、9月の発売日当日にDVDを購入していたものです。「いまさら、何を」とおっしゃる方も多いことでしょう。 この半年間、生徒とともに戦争平和について学び、考えてきました。広島で被爆の体…

新書本のタイトル

週末に読む本を探しに書店に行きました。最近、小説を読むと、目下勉強中の文学理論がちらついて楽しめなくなってしまっているので、新書本を2冊買って帰りました。 新書本のタイトルもいかに人目をひくかということで苦心しているようです。私のようなひね…

実践の理論と哲学

今月の18日.、19日に日本文学協会(日文協)の大会に参加しました。18日に行われたシンポジウムでは、文芸教育研究協議会(以下、文芸研)の理念、理論が報告され、日文協の〈第三項〉理論のとの相違点や共通点が検討されました。日文協の会員としては日の浅…

鳥取のポケモン

この週末に鳥取砂丘で「ポケモンGo」関連の大きなイベントがあり、県外から多くの来客があった模様です。鳥取駅から砂丘へ向かうバスは最大3時間待ちであったとか、鳥取市内の宿泊施設が満室であったため、隣の倉吉市の宿泊施設も多くの来客があったなど、…

自分の勘を信じて

1ヶ月半かけて漱石の『こころ』を読んできましたが、いよいよ学習のまとめです。生徒たちも、なぜ「K」や「先生」は死を選んだのかということに関心が向くところです。これについては、多くの研究者たちがさまざまな見解を述べています。私は日本の明治と…

芸術の秋

研修で上京した際、上野の国立西洋美術館に行き、「北斎とジャポニスム」を観ました。金曜日と土曜日は午後8時まで開館と聞いたので、研修後に行くことができました。 前回、西洋美術館を訪れた時は閉館中であったため、柵の側でぴょんぴょんと飛び跳ねて、…

文学を語れる嬉しさ

研修で上京したのを機に大学時代の恩師を訪ねました。体調がすぐれないように伺っていたので、あまり長居しないようにしよう(1時間でおいとましよう)と思っていたのに、気がついたら3時間も話しつづけていました。本当は、これから取り組もうと考えてい…

町内会の話し合い

町内会の会合があり、大雪の際の対応について話し合いました。鳥取は今年の2月に記録的な大雪に見まわれ、公共交通機関が何日間かストップしてしまいました。そうなると、自家用車を利用せざるを得なくなるため、道路の除雪が必要となるのです。今冬の対応を…

古典文法をどう理解させるか

古典文法、特に助動詞ついて理解を深めることは、古典作品を読み味わうために必要です。私も、先輩教師からいろいろな工夫を教わりながら、指導法についてようやく自分の型ができたように感じています。そして、もっとよい方法はないかと模索する毎日です。 …

小説教材の難しさ

授業で小説を読むとき、「難しいなあ」と感じることがいくつかある中で、最も課題となっているのは語彙力です。評論文であれば、ある表現の説明をするときにせよ要旨をまとめるときにせよ、基本的には本文中の語句で述べることができます。ところが小説の場…

池田亀鑑先生と古さとのことば

池田亀鑑先生は鳥取県西部のご出身です。日本の古典文学に関心のある人なら誰でもその名と業績を知っているところです。大学に入学して間もない頃、私が鳥取出身であることを知った教授(万葉集の講義をされていた)が、池田先生の業績やご苦労、国文学に対…

ノーベル賞といえば

ノーベル賞が話題になる頃、「今年こそは村上春樹が文学賞を受賞するのでは」と取り上げられるのはもはや恒例行事のようになってしまっています。ハルキストと呼ばれる方々の心中はどのようなものでしょうか。 国語科教員のうち、国語科教育を専攻した人には…

古事談を通読して

『新注古事談』(笠間書院)を読みました。これまでは、他の説話集との比較をする際に該当する説話を読んだだけで、通読したのは初めてです。説話というよりも、挿話的なものがかなりあって、しかもそれらに興味をそそられます。歴史や古典文学に関心がある…

漱石の『こころ』を読むにあたって

夏目漱石の『こころ』は高等学校の現代文の定番教材です。私はこの小説を授業で読むのが恐いのです。教員となって初めて授業を受け持った生徒とともに、『こころ』を読みました。その生徒たちのうちの一人が、大学進学後、自ら命を絶ちました。その枕元には…

農村の変化

先週末に、30人ほどが小さな神輿を担いで歩いているのを見かけました。稲刈りを終える時期なので、秋の収穫に感謝するお祭りなのでしょう。年齢層は様々でした。印象的だったのは、神輿の後をついて歩く人の姿でした。スマートフォンに見入りながら歩く母…

改めて自分の仕事の意義を考える

中学校、高等学校の国語科教科書に採録される古典文学作品には限りがあります。また、採録されたとしても作品のごく一部に過ぎません。例えば、『平家物語』については、後半部分がほとんどで、清盛存命中の部分はまず出てきません。俊寛僧都が鬼界ヶ島に流…

『どこから行っても遠い町』

川上弘美さんの小説『どこから行っても遠い町』は何度読んでも不思議な小説です。作中人物はさまざま境遇、年代の人物であり、自分自身との共通点は見出せないにもかかわらず、あたかも自分が体験しているかのように、身体や心が反応するのです。決して作中…

読書を演出するもの

秋分の日も過ぎ、秋の気配が深まるこの頃は、夜に虫の声を聞きながら読書にふけるのは、この上なく心地よいものです。窓を開け、虫の声とともに流れて来る冷気もまた秋の風情を感じさせるものです。 海辺に近い学校に勤務したことがきっかけで、釣りが好きに…

読みたいと思う本出会わなくなって

面白いものはないかと、書店に出かけるのですが、私の興味を引くものがあまりありません。以前は書店に行くたびに数冊は雑誌も買っていましたが、現在は心をひかれる内容のものがありません。新書も目次を見ただけで内容が分かってしまうようなものや、消費…

街へ買い物に

同僚へのお見舞いにと、お菓子を求めて駅前に買い物にでかけました。当地でも、郊外に大型ショッピングモールができたため、駅前に買い物に来ることもなくなっていました。 洋服のディスプレイはすっかり秋の装いです。洋菓子店もハロウィンをモチーフにした…

原爆の体験講話を聴いて

広島で原爆を体験した方の講話を聴くことができました。私自身は20代の時に一度聴いて以来のことになります。その時以上に心を揺さぶられるように感じたのは、自分にとって大切だと思う存在が増えたためでしょうか。それとも、時代にきな臭いものを感じる…

野分のまたの日に

秋の台風がやって来ると、『枕草子』の「野分のまたの日こそ…」で始まる章段を思い出します。 作者の着眼点や美意識に読者の感受性を刺激されることは間違いないのですが、現代人には「をかし」と評するのはある種のためらいを禁じ得ません。身の回りで被害…

高校生のコピペレポートから考える

高校生に夏季休業中の課題としてレポートの提出を求めました。テーマは研修旅行での研修内容に即して自分で設定し、A4版レポート用紙2枚以上、二つ以上の資料を用いるということを条件としていました。 結果は、「コピペ」で字数を埋めたものがほとんどで、…

最後の米

今日、コイン精米機で米をつきました。我が家で、こうして、玄米を精米して食べるのもおそらくこれが最後になると思われます。 私の両親筋も数年前に稲作をやめました。そのときの「退職してからでもいいから、お前が米を作ってくれたら…」と遠慮がちに言っ…

鳥取県民の日に思う、県立美術館。

鳥取に県立美術館を作ることが決まり、どのような美術館にするのかということについて具体的に検討を始めているようです。 美術とは離れてしまうかも知れませんが、展示するものと展示する場所の調和はとても大切だと実感したことが何度かあります。建仁寺の…

人の力になりたいと感じたとき

人間関係というものは考え始めると結局何が正しいあり方なのかが分からなくなってしまいます。「親切」であるはず言動が、相手を不快にさせたり、他人に誤解されたりといった経験をすると、私なぞは積極的に人と関わることそのものに臆病になってしまいます…

行平と八上羽子板

1935年に板祐生さんが著した「山陰の郷土玩具概見」には、「八上羽子板」のいわれを伝える伝説が紹介されていることは、先日記したとおりです。この伝説では、八上羽子板作り方を伝えたのは在原行平であるとしています。 行平は、強賊を討伐せよとの文徳天皇…