歩いて、読む。

日々の雑感。ときどき、ちょっと文学。

ルーベンスと『フランダースの犬』

先日、国立西洋美術館で開催中のルーベンス展に行くことができました。上京の際には大学時代の恩師を必ず訪ねるのですが、このたびは急遽決まったことなので、ご連絡することさえ憚られてしまいました。用事をすませて帰途に着くまでの空き時間に、東京でしかできないことを考えたとき、真っ先に思い着いたことがルーベンス展でした。

私がルーベンスという画家の存在を知ったのは、アニメ『フランダースの犬』です。画集などをみても、アニメのシーンが同時に連想されてしまいます。直に作品を鑑賞することができ、卓越した技術に圧倒されました。ルーベンスの作品があったからこそ『フランダースの犬』は成立するのだと思われるほどです。晩年に描いたという故郷の風景画もみたかったのですが、今回の展示には含まれていなかったのが少し残念です。

フランダースの犬』の主題解釈について、大学時代の法学の教授がおっしゃったことが印象に残っています。人間は望む者がなくなったら死んでしまうのだ、というものです。真偽はともかく、妙に納得し、アニメをみるたびに、人間にとっての希望、そして絶望を考えさせられるのです。

最近、テレビのCMで『フランダースの犬』のラストシーンのパロディをみました。なんだか、複雑な心境になってしまいます。制作した方が、『フランダースの犬』をどんな物語であると解釈されたのか聞いてみたくもなりました。